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さよならピアノソナタ encore pieces

未だ狼と香辛料を読み終わっていないながらもついついこっちに手を出してしまった。
本来こういうことは好きではないのだがこの作品に限っては仕方がない。
とりあえず10日24時の2chのネタバレ解禁までには読んでおきたかったから。

さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)
(2009/10/10)
杉井 光

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まふ――――(´д`)――――。
思い入れとレビューの量は比例すると思います。
以前のエントリでいかにこの作品に対して思い入れがあるかは書いたと思いますが。
そんなわけで以下殆どネタバレ。発売直後ですしとりあえず伏せておきます。

月日は流れ、みんな大人になった。
いつの間にかナオはすっかり業界ゴロになっていた。
まあ本編の時点で遅かれ早かれ音楽の道に進んでいくんだろうとは感じてましたが。
やっぱり蛙の子は蛙、ってことでしょう。
業界ゴロなんてニートに毛が生えた程度でしょうけど。社会的な地位は。
ただナオは並みの業界ゴロと違った。プロデューサーとしての、クリエイターとしての才能があった。
先輩はかなり早くからその可能性を見出していたから
自分達の心臓としてナオを迎え入れることは当然だったんでしょうね。

探し物をするナオと真冬、響くピアノの音、という構図で1巻ラストを少し思い出しました。
杉井は意識したのかしないで書いたのか。あとがきでもblogでも言っていないので無意識なのだろうか。
病院で育まれる愛というのは半月でありましたが
障害が大きければ大きいほど互いに依存する傾向ってあるんでしょうね。
ナオと真冬の場合はそれがナオの鈍さだったり真冬の素直じゃないところだったり
物理的な距離だったり真冬の指だったりとありましたが
それらを全てひっくるめて音楽が二人を結び付けてしまったのです。
それと共に、フェケテリコの4人を結びつけた。
だから2人になってもフェケテリコであり続け、またこの4人にこだわり続けることになってしまったんでしょう。
バンドとして、というよりも人間的に深い関係だった、ということです。
下ハモリでないとフェケテリコの歌ではない、というところがそれを象徴しています。
そんな中、先輩がナオのことを同志と呼ぶようになっていて
それぞれの成長が感じられますね。

ナオはどんどん部屋に楽器が増えていくってことになっていっていますが。
まあ誰かさんみたいな話です。鍵盤積んでギターとベースがどんどん増えていって。
杉井はどんどんナオに杉井自身を投影していっている気がします。
芸術的才能の塊なんですよね結局彼らは。それに気づき、受け入れられたか否かが
過去のナオとの違いでしょう。ヘタレなのは変わっていませんが。
もっともいつの間にか鳴海もびっくりな洞察力も身についていましたね。
ほんとに一部分だけ鋭くて才能はあって、でも肝心なところはどうしようもないくらいに鈍感。
確かに杉井的な主人公の典型ではありますが、かなり極端な描かれ方をしていると思いますね。

形式的に一応主要登場人物それぞれがメインの短編、としていますが
実際には全てナオと真冬に繋がっているんですよね。
結局、音楽が彼らを強く結び付けている以上、
音楽に関り続けている彼らとナオ・真冬がどうやっても交わっていってしまうんですよね。
ただ一方でフェケテリコとして4人が集まることはなく、それはあとがきで杉井も言っているんだけど。
やっぱり高校生だったからこそ4人でフェケテリコであれた、ということでしょう。
実際、ナオも大人になっていて。感情を音楽にぶつける、ということを自重するようになっていました。
成長した、と受け取るべきなのか。つまらなくなった、と言うべきか。
でも結局、みんなそうやって大人になっていくんだろうなぁ。
それは現実を生きる僕たちでも同じことでしょう。
むしろ、子供から大人へと成長していった過程を過ごした経験があってこそ書けるんでしょうけど。
だから、高卒でニートで最近ようやく作家として大きくなった杉井は
これは今ようやく書けたというところがあるのではないでしょうか。
少なくとも、火目で受賞した直後の駆け出しの杉井では書けなかったんじゃないかな。

1巻で初めて3人でスタジオに入ってカシミールをセッションしたとき。
つまりナオに初めて先輩が火を点けたときですけど。
このシーンは全編を通じて僕の好きなシーンの一つなのですが
これをもう一度、前日談としてやられるとはなぁ。
DADGADにチューニングをし始めた時点で狂喜ですよ。
何をやるかは一発で分かるわけだし。
しかも片手でベースを弾き始める件はたまらないなぁ…
こういうアホなこと大好きなんですよ。ちなみにこんな描写ができるラノベ作家は杉井以外に知らない。

ピアノソナタを読むと、いつも自分の無力さに打ちひしがれます。
フィクションだとは分かっていますけど。こいつらやっぱり凄いんですよ。
実際周りを見渡せば、音楽で食っていくのは如何に難しいかがよく分かるし。
でも、単純に嫉妬してしまうんですよね。どうしても。
自分では本当に何も出来ないことがよく分かっているから。
仮に出来たとしてもこんな風にはなれないでしょう多分。だってフィクションだから。
他のラノベに比べてテーマがテーマだっただけに
どうやったって自分と置き換えてしまい、現実とフィクションとの違いにいつも苦しむことになるんですよ。
それでもこうやって馬鹿みたいに何度も読んで、懲りずに打ちひしがれてしまうのは
つまるところ作品自体がやはり魅力的であって、極めて高いレベルで作りこまれているから。
だからこれだけ書いても、正直全く伝え切れてない気がします。
感情で読む作品だと思うんですよ、やっぱり。
活字にしてレビューするのって本当に難しい。本当に。かと言って消しはしませんけどね。
D居あたりには1巻から是非読んでもらいたいなぁ。

大人になっても変わること、変わらないことってあるのね。
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テーマ : ライトノベル
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