桜色の春をこえて
桜色の春をこえて (電撃文庫) (2011/11/10) 直井 章 商品詳細を見る |
拾い上げの新人さんですね。
正直買うかどうか悩んでたのですが
担当が湯浅さんだったことを決め手に、購入。
ちなみにこれを買わなかったら2007/11から続いていた
電撃の新刊を毎月必ず買い続けていた記録が途絶えるところでした。
(何その超個人的な理由…)
さて、肝心の内容ですが
まずラノベっぽくありません。
高校生少女二人のストーリーですが
ラブコメもバトルもSFも超能力もありません。
ちょっと家庭環境に恵まれなかった、普通の女の子の物語。
系統的には桜庭一樹の名作、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』から
ミステリ・ホラー要素を抜いた感じでしょうか。
一見不良少女、ただその中身は周りを思いやる優しい子。
そんな澄多の素顔が徐々に分かっていくうちに
主人公・杏花とともに彼女に惹かれ、
仲良くなりたいと読者に思わせる過程と
最後の最後に悲しいながらもスカッとする結末をもってきてくれます。
女主人公、ラブコメも百合も無し。
ラノベでやるにはいささか冒険的ではありますが
不思議と感情移入はし易かったですね。
近年のサラっと読める中身のないラノベにも
飽きてきた人にも薦めたい作品です。
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