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東雲侑子は短編小説をあいしている

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)
(2011/09/30)
森橋ビンゴ

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ラブコメ、というにはコメ成分が少ないですね。
森橋ビンゴの新刊はそんな青春恋愛小説。
とってもキュンキュンします。素晴らしい。
早くも個人的には来年のこのラノ投票候補です。
まあどうせ売れないからランクインは期待してませんがね。


ヒロインが作家で人生経験が乏しいから擬似的に付き合ってみる、という
ラノたの他で散々見てきたシチュエーションですが
決して安易な設定ではなく、
ストーリー上、しっかりと意味のある設定になっています。
完成度は非常に高いです。

主人公英太が兄に抱えるコンプレックス、
そして絶対に叶わない恋心を抱いていた過去…
そのあたりのブラックな部分を内包しているがゆえに
途中途中でネガティブな感情が生まれてきます。
このあたりの暗さ、人間臭さこそ正にビンゴの真骨頂。

そんな英太にどことなく近いところがあるヒロイン侑子が
彼に惹かれていくのは自然な流れなのでしょう。
当初は長門やましろのような
感情を表に出しにくいタイプなのかと思いましたが
おそろいのキーホルダーをつけたがったり
服を選んでもらったりと
年頃の女の子の恋心が丁寧に描かれています。
ベタベタに甘えるのではなく、
本当に些細なことから垣間見える好意が
実にキュンキュンしますね。
主人公の一人称小説でヒロインの変化していく様子が
さりげなく、しかし上手く描かれているというのはすごいですね。

章の間に挟まれる、侑子の書いた短編が大きな伏線の役割になっています。
僕も含め、読者は途中で侑子の気持ちをそのまま描いたもの、と気がつくんでしょう。
終盤、英太もそのことに気がつくのですが
そこに至るまでの思考は僕が抱いたものと全く一緒でした。
この短編が果たして侑子と英太、どちらの視点で描かれたものなのか。
途中で一度、英太のことなのかな?と思う部分が確かにあるのです。
過干渉な兄の彼女、そして昔抱いた恋心。
侑子が短編しか書けない理由…
その他彼らを取り巻くもの全ての設定が
結末に至るためにこの作中作を通じて一つにつながるのです。
これはちょっと軽く衝撃でした。いやぁ、実に秀逸。


ビンゴ作品は安易に分かりやすいハッピーエンドにはならないことが多く、
モヤっと終わることが多いのですが
本作は上手く落としどころに嵌ったな、という感じです。
きちんと読者の望んだ方向にもっていったというか。
過去の作品に比べてモヤっと感は少ないですね。

おそらく単巻完結でしょうけど
久しぶりに自信を持って人に薦められる作品に出会った気がします。
本当にこれはオススメです。
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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

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