そして輪廻の果てへ飛び下りよう 終わりなき夢に落ちて行こう

12年乗り続けてきた愛車を手放してきた。
今の生活スタイルには必要なくなり、所有する物理的・金銭的な余裕とメリットが無くなったからだ。


車好きな父と兄に囲まれて育った僕が
同じように車好きになることは至極当然だった。
18になり、免許を取った僕に
父は「クルマを買ってやる」と言ってくれた。

我が家はべらぼうに金持ちというわけではなかったが
父と母が共働きな上に堅実な性格だったので経済的には裕福な方だったのだろう。
もちろん地域柄、車の所有が一家に一台ではなく”一人一台”が当たり前だったのと
前述の通り父自身もクルマ好きで、僕にも「運転の楽しさを知って欲しい」と
そんな思いももしかするとあったのかもしれない。

買ってくれるとは言ったものの免許取り立ての大学生に対して
GT-RだのZだのを与えてくれるわけはなく(父自身は基本的に日産党だった)
父が提案してきたのは軽の数車種だった。
一方僕も基本的には父がお金を出すこともあり多くの注文はつけず、
車種やグレードは全面的に父に任せることにした。
兄はインプレッサに乗っていたし、本当は当時好きだったランエボに乗りたかったが
保険はバカ高くなるし乗るのならば自分で稼いでから買えばいいと思っていたので
特に何かに拘ることはしなかった。


wagonR_inpane_fix.jpg


たった1点だけ、「MTで」という条件を除いて。



当時の日産は軽自動車市場に参入してまだ数年しか経っておらず
中古市場のタマ数が少ないこともあってメーカーにはこだわらず
(そもそも既にMT車のシェアは激減していたし日産がMTの軽を作っていたか知らない)
父が選んできたのは1台のスカイブルーのワゴンRだった。

wagonR_fr_fix.jpg


当時で3年落ち2.5万km、FMC後だったので1代前のモデルだったはず。
つくばの中古車店で58万円だっただろうか。
学生のうちは維持する金もないので
購入から名義からメンテナンス費用からすべて父に持ってもらった。
僕の負担はガソリン代くらいだった。
そうして我が家にこいつがやってきたのが僕が18の冬だった。


今の軽と違って規格が緩和された直後くらいの設計思想だったので
お世辞にも乗り心地が良いとか走りが軽快とかハンドリングに優れてたりとかは
とてもではないが言える車ではなかった。
高速に乗れば90km以上出すと安定性に欠け
そもそもNAでパワーもないので
高速乗るのに5速で3500rpm以上はエンジン回さなきゃいけなかったし
足回りは貧弱で段差があればパンパン跳ねるし
カーブを曲がろうものならふわふわして食いつかないし
ボディの剛性も大した考慮はされておらずドアを閉めれば鉄板のような音がした。


それでも僕は何だかんだでこのクルマで走るのは好きだった。
パワーこそ無いけれど2速や3速にいれるときのシフトワークは
スコンスコンと心地よく、またクラッチを繋いでアクセルを踏み込んだときに
ダイレクトにエンジンの回転が伝わっていくのを全身に感じられる
そんな”クルマで走る楽しさ”があった。




学生の頃はバイト先と家の間を毎日のように往復し
時折バンドの練習のために大量の機材を積み込んでは高田馬場に向かった。
車高の高さがあったのとリヤシートを倒しフラットにできたので荷室は軽の割りには広く
機材を積むには便利だった。
思い出深いのは現役最後のサークル合宿に行ったときだ。
最終日、恒例のライブを朝10時から始めて
夜通し歌い、鳴らし続けて終わったのが翌朝7時。
そのまま昼過ぎに合宿所を出て、睡魔と戦いながら運転していたものの
関越トンネルを抜けたところで力尽き、谷川岳のPAに着いたところで社内で仮眠をとったら
気が付くと夜の9時。そんなこともあった。
今では絶対できない、20歳という若さだからできた無茶だった。


大学を卒業し、就職を機に名義を父から僕に変えた。
それと同時にメンテの費用も僕が出すようにした。
名実ともにこのクルマは僕のものになった。



社会人となると典型的なサンデードライバーになった。
向かう先も近場のショッピングモールやハードオフが多かった。
それでも休日に一人で出掛けるときはいつも乗って行った。
職場は実家からほど近く(高校や大学より近かった)
あの土地に住んでる以上、車のある生活というのはそれが当たり前だった。




一度だけ、ワゴンRを手放そうと考えたことがあった。
社会人になって数年、大した無駄遣いもしなかったのと実家暮らしだったのとで
比較的金に余裕があったのでインプレッサワゴンでも買おうかと思ったのだ。
とはいえ現実的に2台維持することにメリットもなく
買ったらワゴンRは手放すつもりだった。
知り合いの中古車店のオーナー(当時の取引先)に予算とグレードの希望を伝えると
「タマ数そんな多くないからそれなりの程度を探すなら時間かかるなぁ」と言われた。
財布に余裕はあったとはいえ、色々考えてローンを組むつもりでいた。
ローンを組んだら大して好きでもないその時の仕事を続ける理由ができると思っていたからだ。


運命の悪戯か、その仕事の先行きを案じ
また仕事自体に価値を見出せなくなった僕が上司に退職する旨を告げたのは
オーナーから「クルマ見つかったよ」と電話を受ける3日前のことだった。
インプレッサは欲しかったが仕事のためにローンを組む理由がなくなっていた僕は
電話口でオーナーにキャンセルする旨を伝えた。
申し訳ないことをしたなと自責の念に駆られていた。
オーナーには退職の前日に挨拶をしてきた。快く送り出してくれた。



そうして僕はワゴンRに乗り続けたままニートになった。
ニート時はべらぼうに時間があったので近所にいくつも有る日帰り温泉をよく巡っていた。
ゆっくりと湯舟とサウナに入った後、スッキリした気分でのドライブはまた格別だった。

また、トリプルファイヤーOガキに誘われて草野球を始めた。
練習場所は大学からもほど近い新宿近辺が多く、土地勘もあったし荷物も多かったので
これもまた車で出掛けていた。
アラサーにもなって白球を追って汗を流すようになるとは思ってもいなかった。



ニートを2年ほど続けた後、ずっとやりたかった仕事に
ひょんなことから就けることとなり、また働くことになった。
追い求めていたものがその仕事にはあった。天職だと思った。
偶然にも職場は草野球のホームグラウンドからほど近い場所にあり
何か運命めいたものを感じた。
基本的には電車で通っていたが勤務時間が不規則なこともあり
終電に間に合わないことが分かってる日も多々あり、そんな日はやはり車で通っていた。
帰宅すると深夜の3時とか4時なんてこともザラだった。


さすがに通勤負担が大きいと感じ、都内に引っ越すことにした。
ワゴンRは実家に置いたまま、初めての一人暮らしと初めての車の無い生活が始まった。
新宿からほど近いこの場所では車は必要なかった。
買ってから7回目の車検を迎えることを契機に、今度こそ手放すことを決意した。



ディーラーに持って行くべく実家にワゴンRを取りに帰ると、
今度実家近くに家を建てるためその手続きに兄が来ていた。
結婚し、娘が生まれ、その娘が小学校に上がる前に家を建てようというらしい。
兄には訳あって一時期ワゴンRを貸していたこともあり、
僕ほどではないにしろ思い入れはあるようでディーラーに一緒について来た。

僕が保険やら何やら手続きしている間、兄はアルトワークスに試乗していた。
手続きを終え、ディーラーを後にしようと外に出ると丁度兄が試乗から戻ってきたところだった。
グイグイ走る、乗っていて「楽しさ」を演出してくれる良いクルマらしい。
兄は気に入ったようで「次はこれ買おうかな」なんて冗談めいていた。
家庭を持つに際して、かつて乗っていたインプレッサこそ手放したものの
既にミニバンと軽を所有している上に、先日はとうとう念願だったWRXを
再度購入し、これから家を建てる兄はローンが大変だとボヤいていた。
「そんなにクルマあっても大変じゃない」と僕が言うと
兄は「好きなんだからしょうがない」と言っていた。
ごもっともだ。それ以上の理由なんて必要ない。
僕はクルマ以上に好きなことを仕事にすることを選び、車を手放した。
それだけの違いだ。



兄は帰りに駅まで送ってくれた。
その車内で「二人目ができたんだ」と僕に告げた。
みんなそれぞれ違う人生を歩んでいる。




今 変わっていくよ
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テーマ : 愛車
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WEB2.0の終焉とスマホSNS時代への移行

このブログの更新が5年半以上止まっていたのはいくつか理由がありまして。
一つはラノベをめっきり買わなく・そして読まなくなってしまったこと(レビューを書くものがない)
一つは新しい機材を買う機会がなくなってしまったこと(KRONOSあるからな)
そしてもう一つがタイトルにある通りの時代の流れと言うか。

思えば00年代中盤(僕が学生ど真ん中だった頃だ)というのは
今ではすっかり死語になった、というか結局大して流行らなかったWEB2.0全盛の時代だった。
光回線の普及によりそれまでネット向け動画の標準フォーマットが作成にそれなり技術が要ったFlashではなく
mp4とかでハンディカムで録ったものをエンコしてポンと上げることが容易になり
Youtubeとニコニコ動画の存在がそれを強烈に後押ししたことで素人の表現活動の幅が広がった。
ブログの出現により個人の情報発信もわざわざHPを作らずともできるようになった。
mixiをはじめとしたガラケー向けのSNSが発達しネット上のコミュニティはかつてのBBS時代から一歩踏み込んだものとなった
(ネット上で本名を平気で名乗るような風潮が出始めたのもこの頃だった気がする)

こうして一般人には受動的なものだったインターネットの世界が発信の容易い双方向的なものとなった。
とはいえこの頃のデバイスはあくまでPC中心だったしフォーマットを作る側もそういう意識で構築していただろう。


それが大きく変わったのがiPhoneの出現によるスマホ時代の到来と震災だったように思える。
PCよりもスマホの方が生活に密着したというか自分との距離感がより近いデバイスだというのも大きく
それがTwitterのような短文投稿に絶妙なマッチを見せ、SNSがスマホベースのものへと発展していった。
また動画投稿サイトはアップロードの時代からリアルタイムのストリーミングへと進化し
こちらもスマホから手軽に行えるようになったことでよりソーシャル的な側面を強めていった。
LINE LIVEの縦画面配信とかその最たるものですね。個人的にはアレあんま好きじゃないんですけど。
あとちょうどその移行期に震災があって人と人とのつながり方、
そしてリアルタイムでのコミュニケーション性に意識が集まったことも大きかったのではなかろうか?
その結果、WEB2.0時代の遺産だったブログ文化もすっかり閑古鳥である。



長々と書いてきましたが何が言いたかったかっていうと
つまりTwitterでの発信が楽すぎてずっとそっちで済ませてたってだけなんですけど。

とはいえログの見やすさ・探しやすさにおいてはブログに優位性があるのは事実で(そら「ウェブログ」だからな)
あとで見返せたらいいなーと思うようなものに関してはこっちに書くべきなんでしょうね。

何で今更こんな事書いてるかっていうと何となく最近ラノベ読んだりしてるのでまたレビューというか
感想書いたりしてみようかなと思いついたのです。
ラノベに限らず音楽なんかもね。
もう表立ってで書くような立場でもなくなったのでひっそりとね。

テーマ : どーでもいいこと
ジャンル : コンピュータ

ここのブログ

まだ生きてたんですね。
何かあったらひっそりと更新してみようかね。

テーマ : 雑記
ジャンル : サブカル

ロウきゅーぶ!10

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(2012/02/10)
蒼山 サグ

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短編集です。なので例によってバスケしてません。
ですがその辺は割り切って考えてもいいでしょう、この作品についてはもはや。

主人公・昴のラッキースケベっぷりに腹が立ってきますが
まあそこはまったく小学生は(ryなので
サグのファンサービスだと思いましょう。そう思いたい。
普段日の目を見ないソノ・ショージコンビがメインの話やら
ちょっと珍しい展開になるのも短編ならではですね。

なにより頭と最後に収録された
真帆・紗季コンビの話が良く出来ています。
幼馴染であり、かつチーム内でも一番のライバルである彼女達が
お互いのことを口に出さずとも全て分かっている様子が
とても上手く描写されています。
勝手にキャラクターが動いている、というのは
まさにこんな感じなんでしょう。
作品としては、そうなってくると完成形に大きく近づくのかな
と思いますね。

テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

寄生彼女サナ2

寄生彼女サナ 2 (ガガガ文庫)寄生彼女サナ 2 (ガガガ文庫)
(2012/02/17)
砂義 出雲

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なんだかドラマCDのキャストがどえらいことになっている
すなぎ先生の2作目です。

今回も序盤はキレッキレの下ネタとギャグのオンパレードです。
特に88p、ただの笹かまぼこから卑語を捻り出す
砂義先生のセンスハンパない。完全に嫉妬。

第二章終盤からトンデモ展開になっていきますが
本当によくプロットが練られているな、という印象です。
まあ大半の読者は置いてけぼりにされたような気もしますが。

そうやって馬鹿ばっかやっているような気もしますが
その流れで来る最後のロイ子の叫びは非常にインパクトがありますね。
全体的にシリアス分が前巻に比べて減ったこともあり
今回はラストがより引き立てられた構図になっています。

終始会話文を中心にテンポ良く進みます。
が、読んでいて早すぎるという印象は感じません。
一方でストーリー展開は良く出来ているので
作品としてはとても読みやすいですね。
逆に言うと地の部分での描写はさらっとしているので
本質としてはやはりライター畑の人なんだな、と再認識。
ラノベに限らず、いろんな分野に羽ばたいて欲しいですね。

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(´・ω・`)らん豚

Author:(´・ω・`)らん豚
なんか色々なことがあったけど
落ち着くべきところに落ち着いたような気がする機材おじさん。
秀逸なものを紹介してました。

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